ジェトロ仙台で開催された「農林水産物・食品輸出入門セミナー」に参加してきました。
ジェトロ全体についての説明、農林水産物・食品の輸出の現状についての説明があったあと、宮城県の輸出事例の紹介がありました。
TPPなど何のその。海外市場に向けて、もっと東北の商品をアピールしていきましょう。
以下セミナー要約。
目標:農林水産物・食品の輸出額につき、2020年までに1兆円水準を目指す。
日本の農林水産物・食品の輸出の現状: 減少傾向で推移していた農林水産物・食品の輸出額は、2009年秋以降、回復傾向(震災前まで)
輸出額(平成23年:4,513億円)
品目別内訳: 水産物が約4割、加工食品が約3割
仕向地内訳:
地域別: アジアが74%、北米が15%
国別: 1位香港25%、2位米国15%、3位台湾13%、4位韓国9%、5位中国8%
いわゆる「農業大国」のほか、中国、韓国と日本の食品輸出は低水準。
諸外国・地域における、農林水産物の生産額に占める輸出額の割合(ドルベース)
カナダ(18.4%) オーストラリア(16.5%) フランス(12.4%) 台湾(8.8%) 米国(8.1%) 中国(1.6%) 韓国(1.3%) 日本(0.5%)
諸外国・地域における、食品・飲料およびタバコの生産額に占める輸出額の割合(ドルベース)
オーストラリア(23.7%) カナダ(22.7%) フランス(18.0%) 中国(6.3%) 台湾(5.7%) 米国(4.9%) 韓国(4.7%) 日本(0.7%)
日本食品に対する嗜好・イメージ(2011年11~12月、香港、台湾、米国(NY)、英国(ロンドン・バーミンガム)、フランスでの調査)
- 香港、台湾、米国、英国、フランスすべてで高い好感度を得ている。
- 各国・地域共通で「ヘルシー」なイメージ。
- 食べたことのある日本食はフランス以外、すべて「すし」が1位。フランスの1位はカレーライス(78%)
- 各国・地域共通で「価格が高い」
- 「使い方がわからない」は香港(42%)、フランス(48%)、台湾(33%)
輸出促進の意義
- 販路の拡大・創出
- 国内のほかに海外に新たな売り先を確保
- 国内マーケットが狭い商品が海外で評価され、新しい商品市場創出の可能性
- 香港、台湾では食べ歩き用に小型サツマイモが高評価
- 中国、台湾では大玉りんご⇔ヨーロッパでは小玉りんご
- 拡大するアジア消費市場(特に中国富裕層)
- 国内市場の需給安定
- 商品力の向上
- 海外の品評会での受賞でブランド力をアップ: 日本酒「梵」(福井県鯖江市)
- 経営面でのメリット
- 輸出実績をPR、地域・生産者のイメージ・信用力の向上に繋げる
- 輸出という先進的な取組みにチャレンジすることで生産現場の意欲向上に結びつく
- 海外バイヤー等を相手に商談の経験を重ねることで、販売力の向上が期待できる
- 株式会社カネダイ(気仙沼市): 2011年10月、大連中日貿易投資展示商談会出展。甘エビ製品などで十数件の制約見込み
- 宮城加工技術協同組合: 香港向け月2回、三陸の特産品を定期的に輸出
- JAあさひな(黒川郡): 香港向け業務用精米を継続受注
- 仙台の酒屋浅野(仙台市): 韓国向け毎月40フィートコンテナ2本ずつを輸出
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